アンハッピーエンド? 「ローマの休日」 [映画]
2012年1月28日(土)
上大岡で「ローマの休日」を観る。
監督 ウィリアム・ワイラー
主演 オードリー・ヘプバーン
グレゴリー・ペック
1953年の作品
ローマを訪れた某国の王女とアメリカの新聞記者の、はかない恋の物語。
話の大半はコメディーで、これがとにかくうまくできている。
冒頭で、ネグリジェとパジャマのくだりがある。
アン王女が、おつきの女性に「ネグリジェは嫌い。パジャマで寝たい」と言う。
「世の中には、パジャマの上だけで寝る人もいる」みたいなことも言う。
しかし彼女の言っていることは、相手にもされない。
で、色々あり見知らぬ男の部屋で目覚めるアン王女。
自分がパジャマを着ているのに気が付いて、あわてて下半身を確認する所なんてえのは、実にかわいらしい。
とにかくオードリー・ヘプバーンのかわいらしさが、この映画の大部分を占めているのは間違いないところだ。
1929年生まれなので、アメリカでの公開時は24歳。
ちなみに相手役のグレゴリー・ペックは1916年生まれ。
てことは37歳。
うーん、映画ならまあギリギリか。
後期「若大将シリーズ」の加山雄三と酒井和歌子とおんなじぐらい。
若いころの酒井和歌子ってのも、かわいらしかったね。
そういえば、グレゴリー・ペックも加山雄三も似た系統の顔立ちだな。
うらやましい。
話を「ローマの休日」に戻すと、特徴は登場人物のほとんどが良い人ばかり、ってことだ。
アン王女がヴェスパで街中を爆走して警察に捕まっても、結婚式に向かう途中だと言えば許してくれるどころか、みんなで祝福してくれる。
怪しい服装の秘密警察の連中も、要は王女を無事に帰したいだけの話。
悪いといえば、だまって抜け出しちゃう王女。および自分の職業を隠してスクープ記事を物にせんとする記者(と、カメラマン)ぐらい。
それもまあ最後には、収まるところに収まる。
ただ2人の恋は成就しないわけで、そういう意味ではアンハッピーエンドだ。
前回観た「アパートの鍵貸します」と、ちょうど正反対になる。
あの2人は一時的にせよ、失業者になってしまうわけだからね。
もっとも勤め人と王女じゃあ、背負っているものが違いすぎるか。
さらに比較すると、「アパート」のジャック・レモンがいかにもコメディアン風の演技をするのに対して、グレゴリー・ペックはきわめて自然体。
それでいて笑えるのは、圧倒的に「ローマ」の方だ。
まあ脇の人(アパートの大家さんとか)が、がんばっているというのもあるが。
この構造で脇の方がハチャメチャに頑張ると、「マルクス・ブラザーズ」の映画になるわけだ。
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