後半は、ぶっとびアクション 光瀬龍「百億の昼と千億の夜」 [SF]
12月29日(木)
光瀬龍「百億の昼と千億の夜」読了。
阿修羅王が、シッタータ(つまりお釈迦様)やプラトン=アトランティスのオリオナエ達とともに、世界を破滅に導こうとしている超越的存在と戦う話。
前半は地味に進んでいくのだが、後半になって俄然超未来SFアクションになる。
サイボーグと化したシッタータが、ナザレのイエス(つまりキリスト様)に電磁波攻撃をかけたり、あしゅらおうがMIROKU(つまり弥勒菩薩)にハンドミサイルくらわしたり、もうやりたい放題。
大衆小説好きの目から見ると、この後半が抜群に面白い。
以前も読んだことがあるような気がしていたのだが、どうやら第四章あたりで放り出していたようだ。
つまり、主要登場人物が出そろったとこまで。
もうちょっと粘っていればなあ。
まあ、若さとはそういうものだ。
あの、とらえどころのない「神獣聖戦」を読み切ったことが、自信になったかな。
もっとも、内容を理解できたとは言えないけど。
では、本関係の取りまとめなど。
年の前半は海外ミステリー中心だったのが、小松左京氏の訃報とともに、がぜんSFにシフト。
これが、がちんとはまった。
訳の分からない話も、それなりに楽しんでいる。
ただ、私のキャパが小さいために、他の本が読めなくなった。
ペレケーノス、船戸与一、志水辰夫、山手樹一郎など、買ったままつんどく状態の本が何冊もある。
海外ミステリーなんて、気が付いたら店頭から無くなっていたってことがあるので、油断ができない。
店から無くなるどころかペレケーノスやカール・ハイアセンあたりは、どんどん絶版になっている。
SFというくくりからいうと、漫画にも手を出すかなと思っていたのだが、案外そうでもなかった。
「浮浪雲」、「酒の細道」、「深夜食堂」といった、おなじみの面々。
もっとも「酒場にいこう」というタイトルからすれば、これでいいのだけれど。
唯一SFといえるのが「僕はビートルズ」。
ロックとSFと昭和という、実にこのブログ向きの作品である。
無理やりベストを挙げるとしたら、小説は筒井康隆の「七瀬ふたたび」。
漫画は阿部夜郎「深夜食堂」といったところになるだろうか。
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