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夕焼け雲 横須賀中央「銀次」 [横須賀]

2011年10月26日(水)

 北杜夫氏が亡くなった。
 84歳である。
 「夜と霧の隅で」で芥川賞を受賞。
 「楡家の人々」などの文学作品を書くかたわら、「どくとるマンボウ航海記」をはじめとするユーモア・エッセイで人気をはくする。
 私も中学生の頃に、はまった。
 もっとも純文学作品は読んだことが無くて、ユーモア小説とエッセイばかりだったけど。
 今、ブログなどを書いているのも、原点はそのあたりにあると思う。

 ここしばらくロックやSFのことばかり書いていて、ちっとも「酒場にいこう」ではない。
 まあ、そういうこともあろうかと最初からハイブリット型にしてはいる。
 しかし、あんまり続くと看板に偽りありになるだろう。
 と言うことで、久々に飲食系を。

 昼飯に北久里浜の「麺屋こうじ」で、鶏とんこつ野菜たっぷりチャンポン(790円)。
 ここは月に2~3回程度の更新で、期間限定メニューがあり、今はこれ。
 先週も来て、これを頼んだ。
 その名のとおり野菜たっぷりで、肉、イカ、エビ、アサリなどの具は控えめ。
 名前からしてスープは鶏がらと、とんこつベースだと思う。
 きれいな白で、味もさっぱり。
 麺も中盛り(1.5玉)にしたため、腹は一杯になるが口中は爽やかである。
 こってりとした家系とは、対極の味だ。
 ここから北久里浜駅の間には「九州男児」「逗子家」「きたくり家」などが軒を競い、ちょっと離れりゃあ「イツワ製麺所食堂」等もある。
 いわば隠れた激戦区なのだが、私はもっぱらここである。
 ちなみに衣笠方面だと、ラーメンは食べずに「うどん工房 さぬき」ヘ行く。
 「麺屋 こうじ」も讃岐風が売りなので、そういう嗜好があるんだろうなあ。
 香川には行った事無いんだけど。
 
 その後、まあ色々あって、夕方、横須賀中央の「銀次」。
 今日は天気が良い。
 風は緩やかな北風。
 実に気持ちが良い。
 「銀次」の窓も全開かと思いきや、広く開いているのは入り口だけ。
 窓の方は少し開いている程度である。
 こちらは歩いているので、座っていると案外肌寒いのかもしれない。
 となると、頼むのは燗酒(350円)である。
 まず、飲み物を頼んでおいてから、入り口近くの傘たてを見る。
 今日は良い天気なので、からである。
 「あの、前回来た時に、傘を忘れたんですが」
 「ああ、あの日は3本残ってましたね」
 そうおかみさんに言われて奥のほうの傘たてを見に行くと、今までに忘れられたであろう傘がぎしっり。
 
見慣れた我がボロ傘は、すぐに見つかる。
 「これです」と言って、とりあえず入り口近くの傘たてに移した。
 しかし、私が前回来たのは4日前のことである。
 その日のことをいきなり言われて、ポンと答えが返ってくる。
 やっぱりプロは、違うなあ。
 さて、じゃあ飲もう。
 今日のお通しは、おからである。
 飲みながら考えたつまみは、酢の物(500円)。
 イカ、タコ、エビ、アジ、ショウガ、ワカメといった、おなじみの面々。
 海鮮サラダと大して変わらないのだが、燗酒にはこちらである。
 テレビでは、法然と親鸞の話。
 NHKのようだ。
 振り向かなければ画面は見えないのだが、ナレーションだけでもなんとなく内容はわかる。
 とはいえ飲んでいる間に忘れちゃうような、聴き方ではあるのだが。
 今日はいつもに比べてすいており、そのがらんとした空気の中で聴く大昔の僧の苦難は心に響くものがある。
 燗酒を、お代わり。
 世界は、なぜこのような形であるのか。
 人は何のために生き、そして死んでいくのか。
 高名な僧や宗教家でなくても、人間、どこかでこのような疑問を持つことはあると思う。
 まあ、答えが出ることは無いわけだが。
 程よく酔ったので、ここいらでお勘定。
 計1200円払って、店を出る。

 電車に乗って北久里浜で下車。
 家路につく途中、前方を見ると、山々の上空が薄紅色に染まっている。
 手前に街の灯り。
 遠くに山のシルエット。
 その上空に夕焼け雲。

 振り仰げば、夜空には星が瞬いている。
 なるほど、人は地に生まれ、生き、やがて天に昇るのだなあ、と思う。
  


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