SSブログ

弾むボール LITTLE FEAT 「DIXIE CHIKEN」 [ROCKでいこう]

2011年10月3日

 前回も書いたが、ここのところリトル・フィートを聴いている。
 
リトル・フィートは、スライド・ギターの名手でボーカルもとるローウェル・ジョージを中心として1969年に結成された西海岸のロックバンド。
 初期のメンバーはジョージの他に、ドラムスのリッチー・ヘイワード、キーボードのビル・ペイン、ベースのロイ・エストラーダ。
 1枚目の「リトル・フィート・ファースト」と、2枚目の「セイリン・シューズ」までは、このメンバー。
 「セイリン・シューズ」など、今でこそロックの名盤と言われているが、発売当初は商業的に惨敗だったようだ。
 ここでロイが抜けて、デラニー&ボニーからベースのケニー・グラッドリー及び、パーカッションのサム・クレイトン、更に昔付き合いのあったギターのポール・バレールが加わって6人組となる。
 そして作られたのがこの「ディキシー・チキン」である。
 ニューオーリンズの音楽に影響を受けた、西海岸流ファンキー・ロック。
 ファンキーって言っても、ゴリゴリした感じじゃあなくて、全体的にのったりくったりしている。
 パーカッションが効果絶大で、リズムが複合的で柔らかくなった。
 バンド全体の音にも弾力があり、音楽を作る喜びに満ち溢れている。
 「セイリン・シューズ」が、はじける魅力だとしたら、こちらは弾む魅力。
 ちなみに昔、レコードで聴いていた頃は、次作の「アメイジング!」の方が好みだった。
 「アメイジング!」は「ディキシー・チキン」を更にくっきり力強くした感じで、そこが親しみやすいのだが、プログレみたいな「ファン」が余計である。
 更に次の「ラスト・レコード・アルバム」では、スティーリー・ダンみたいな雰囲気が漂ってくる。
 ハウリン・ウルフのブルースなんかやっていた初期の頃からすると、どんどん都会的洗練の道へと進んでいくわけだ。
 まあ、ざっくりとした音楽が好きなこちらの耳からすると、どこか袋小路へと向かっている感もある。
 当時、その息苦しさを打破しようとした人たちが、パンクやニューウェーブへと走っていったんだな。
 更にワールド・ミュージックやルーツ系の再評価なんてえのがあって、ロス・ロボスや、ダグ・ザームが注目を浴びたりする。
 ライ・クーダーや、タジ・マハールがしぶとく活動を続け、デヴィッド・リンドレーや、サニー・ランドレスがユニークな音楽を作っていく。
 話をリトル・フィートに戻すと、ローウェル・ジョージと言う人は、元々アメリカの音楽だけじゃあなくて、日本の尺八やインドのシタールにも興味を持っていたらしい。
 命をすり減らしてこれだけの物を作ったロッカーにこんなことを言っても野暮だが、彼がしぶとく生き残った世界があったとしたら、どんな音楽を作っただろうという興味はある。
 結局ジョージは、1979年に34歳の若さで帰らぬ人となった。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。