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飛び回るおじさん 椎名誠「トンカチからの伝言」 [本]

2011年6月29日(水)

 椎名誠「トンカチからの伝言」読了。
 いつもの通り、日本中及び世界中を駆け巡るおじさんの、身辺雑記である。
 今回気になったのは2つ。
 1つは、ダン・シモンズの「イリアム」を紹介している章。
 ダン・シモンズって読んだことは無いのだけれど、相当面白いらしい。
 椎名誠と言う人は、いまだにSF小説というものに思い入れや、こだわりがあるようだ。
 どちらかと言うと肉体派で、浜辺で野球などやっているイメージが強いので、このこだわりは意外な気がする。
 「ロード・オブ・ザ・リング」や「ゲド戦記」なども、みんなSFだ的な論法は、1970年代初頭かとツッコミたくなる。
 私も今でこそペレケーノスだの山手樹一郎だのと言っているが、その昔はSF少年だった時期があるのだ。
 星新一、小松左京、筒井康隆、半村良、山田正紀といったあたり。
 すでに星新一と半村良は故人である。
 まあ今でも恩田陸の「常野」シリーズなど読んだりしているが、やはり、たまに読む程度といった感じになっている。
 例えば、未来の異星を舞台にしたような物などは、食指が動かない。
 やはり日常とつながっている物の方が、心地よいわけだ。
 音楽もそう。
 ハードロックやプログレ、テクノなどには手が出ない。
 最近好く聴いているソウルやファンクも、打ち込みより、やはり人力演奏が良い。
   
 気になった2つ目。
 この本の後半から「一人座談会」という企画が現れる。
 あるテーマ(例えば「昔はこうだった」)にそっておじさんや、おばさんが語っていく。で、若い人が突っ込みを入れたりするのだが、そのうち古い人と言うのが現れてとんでもなく古いことを言い出し、ハチャメチャになっていくという趣向。
 東海林さだお+筒井康隆といった感じ。
 それほどあくは強くないのだが、なかなか面白い。
 作者本人も気に入っていたのだが、これが意外にも読者の受けが良くないとのこと。
 特に年配層には訳がわからないようで、今はやめちゃったらしい。
 うーむ。人間、年をとると、思考が跳躍しなくなってくるわけだなあ。
 私自身自覚があるだけに、考えさせられるものがある。
  


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