奇跡って 「奇跡」 [映画]
2011年6月21日(月)
上大岡で映画「奇跡」を観る。
まずは映画館のあるビルの裏手にある「味楽」で、五目あんかけかた焼きそば(850円)。
時間は11時20分頃だったが、すでに席は半分以上埋まっている。
12時過ぎには行列の出来る人気店だ。
酢をかけまわし、かた焼きそばをバリバリと平らげて、準備完了。
表の入り口に回りこんで映画館へ。
平日の昼間なので、客の年齢層がかなり高い。
今日はシネマイレージデイで、料金1300円というのも有るかもしれない。
女の人はグループが多く、男は一人が多い。
女は喫茶店に行く感覚で、男はパチンコ屋に入る感覚かな。
肝心の映画は、九州版「スタンド・バイ・ミー」といったところ。
親の離婚のせいで、鹿児島と博多に別れて暮らす兄弟。
兄は母親とともに、鹿児島の実家で暮らす。
弟は、売れないミュージシャンである父と博多で二人暮らし。
実家では、子供など一人でも二人でも一緒だと言ってくれる。
しかし父と暮らす決断は、下の子がしたようだ。
兄は、一家四人で暮らしていた大坂の暮らしが、忘れられない。
対して弟は、父親に性格が似ているのか、案外陽気に暮らしている。
ある日、兄は一つのうわさを耳にする。
鹿児島から福岡に向かう新幹線「つばめ」と、福岡から鹿児島に向かう「さくら」がすれ違う時、願いを唱えると、奇跡が起こるというのだ。
それは二人の仲間達を巻き込み、奇跡の起きる場所、熊本を目指すことになる。
ハリウッド映画だと、思い入れたっぷりに盛り上げるであろうところ。
しかし全体的に淡々とした手触りだ。
子供達はドキュメンタリーのようなタッチで描かれる。
特に子供だけの会話の際に顕著である。
例外は兄の航一を演じた、まえだまえだの兄、航基。
彼だけが、大人と同じように演技をし、役柄とあいまって孤軍奮闘している。
周りを固める大人たちは曲者ばかりなのだが、みんなちょっとずつ控えめ。
あくまでも主役は、子供たちなのだ。
しかし凄い面子だよなあ。
兄弟の父が、オダギリ・ジョー。
母が大塚寧々。
母方の祖父が橋爪功
祖母が樹木稀林。
祖父の友人に原田芳雄。
兄の学校の先生が阿部寛に、長澤まさみときたもんだ。
自分の学校に長澤まさみみたいな先生ががいたら、恋をする少年が居てもおかしくない。
一昔前なら、沢口靖子の役ではないか。
ちなみに二人とも、東宝「シンデレラ」オーディションのグランプリを、とっている。
調べてみると、審査員特別賞には水野真紀の名前があって、おお、学校の先生が水野真紀ってのも良いなあ。
結婚して退職なんかしちゃったら、もうがっかりだ。
で、結婚相手が子供から見て嫌な(例えばキザな)奴だったりしたら、殺意すら抱いちゃうだろうなあ。
しかし、どこから見ても非の打ち所の無い立派な男だったとしても、それはそれでなんか嫌だし。
そうやって子供は自分の無力さを思い知らされ、成長していくのである。
ありゃ、変な結論。
もちろん映画の本筋はそういう話じゃあなくて、あくまでも離れ離れに暮らす兄弟と、その家族の物語なので、念のため。
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