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男はつらいよ 「カサブランカ」 [映画]

6月11日(土)

 昨日、久しぶりに酒を飲んだ。
 まあ、これは番外編みたいな物。
 また今日からアルコール抜きの日々だ。

 やはり遅くまで飲んだので、体が重い。
 それでも映画ぐらいは観ることが出来る。
 雨の中、上大岡まで出かけた。
 ここの映画館は駅から地下を通っていくことが出来るので、こういう天気の日は便利である。
 
 観たのは「カサブランカ」。
 ハンフリー・ボガート主演の超有名作品。
 ナチスドイツ軍が勢力を広げつつあるヨーロッパ。
 自由の国アメリカへ脱出しようと人々は、一旦アフリカへ渡り、そこからポルトガルのリスボンを目指す。
 なぜかわからないが、リスボンからでないとアメリカには渡れないようなのだ。
 しかしその手前、仏領北アフリカの都市カサブランカでみんな足止めをくってしまう。
 リスボンへ渡れるのは、わずかな人だけである。
 そしてここでも、ナチスドイツは幅を利かせている。
 そんなカサブランカでナイトクラブを営んでいるのが、ボギー演ずるアメリカ人のリック。
 店の名前は「リックス・カフェ・アメリカン」。
 食事に酒、音楽、別室ではギャンブルも行われている。
 リックは、タフでデキる男。
 女にはクールで一見とっつきにくいが、実は人情家。周囲の信頼も厚い。
 その店に一組のカップルが現れたことから、話が転がり始める。
 男は、ヴィクター・ラズロというレジスタンスの大立者。
 女は、その妻のイルザ。
 実はこのイルザ、かつてパリでリックと愛し合った中なのだ。
 演ずるは世紀の美女、イングリット・バーグマン。
 なんだかいつも戸惑ったような目つきをしていて、しかも気位が高そう。
 それがまた男心をそそる。
 オードリー・ヘプバーンの愛くるしさ、グレース・ケリーの気品とはまた違った、はかなげな魅力がある。
 リックやラズロのようなタフな男達が心底惚れきってしまうのが、実に良くわかる。
 話は、再会したかつての恋人であるリックと、人妻イルザの関係がどうなるかと言う部分を中心に展開される。
 クールなタフガイであるリックが、イルザの事となると、とたんに女々しくなり、いやみなセリフなどはいたりする。
 そういえば昔、沢田研二が歌った「カサブランカ・ダンディー」の中に、「聞き分けの無い女を張り倒す」みたいな歌詞が有った。しかし、この映画の中のリックは、間違っても女に手を上げるようなタイプじゃあない。
 イルザに拳銃を向けられても「さあ俺を撃て」みたいなことを言ったりするのである。
 それだけ切ない思いを抱いているっていうことだな。
  
 アメリカでの公開は1942年。
 つまり第二次世界大戦の真っ最中に製作された映画だ。
 反ナチ臭はぷんぷんだが、戦意高揚映画でないところが面白い。
 クールなタフガイのようでいて複雑なリックのキャラクターは、例えばギャビン・ライアルの「深夜プラス1」にも影響を与えているような気がする。
 「BAR レモンハート」の、メガネさんとか。
 確か石原裕次郎主演の映画で、これのまんまコピーみたいなのがあったっけ。
 どうせなら渥美清で観たかったなあ。
 ギャグの類は一切無し、
 あの顔で、全編大真面目に演ずる。
 もしかしたら、大傑作になったかもしれないぞ。


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