ご機嫌ファンク! ブリック「GOOD HIGH」「BRICK」「STONEHEAT」 [音楽]
2011年5月31日(火)
前回更新してから10日がたった。
その間、酒は飲んでいない。
以前にも一月ほど禁酒したことがあるので、さほど驚くことではない。
飲まないと、明らかに体は楽である。
困るのはこのブログだが、まあぼちぼち酒以外のネタでつないでいこう。
今回は音楽。
ここのところ聴いているのは、ブリック、レイクサイド、ルーサー・ヴァンドロスといったところ。
1970年代から80年代初頭にかけての、ファンク~ソウル・ミュージックである。
今、読んでいるのがペレケーンスの「魂よ眠れ」で、多少影響はあるかもしれない。
主人公のデレク・ストレンジが、70年代のソウル・マニアなのだ。
ブリックは、初期のアルバムがごっそり再発されたので、3枚まとめ買いしてみた。
発表順に「GOOD HIGH」「BRICK」「STONEHEAT」である。
デビューアルバムである「GOOD HIGH」は1976年の作品。
リーダーはジミー・ブラウンという人。フルート、サックス、トランペットなどをこなすマルチ管奏者で、リード・ボーカルもとる。
ジャケ写で葉巻をくわえながらニカッと笑っているのが、ジミーだろう。
真っ白なスーツ姿で、かじりかけのチョコレートを持っている姿は、いかがわしさがぷんぷんだ。
ぶっとい迫力のある声も、なかなか魅力的。
しかし、この人が前面に出てバリバリ歌いまくる曲と言うのは、そんなに無い。
みんなで仲良く合唱だったり、代表作の「DAZZ」では高い声の人がリードを取っていたり。
で、ジミー・ブラウンはフルートやサックスを気持ちよさそうに吹いている。
4曲目の「CAN‘T WAIT」でやっとリードをとるが、そうするとここでは管の出番は無し。
ライブのことも考えているわけだな。
次の曲はインストだし。ファンクバンドとしてのサウンドがメインで、ボーカルもその一部って感じか。
でも、たまにしか出てこないが、ジミー・ブラウンの声が有ると無いとじゃあ、大違いなのである。
2枚目の「BRICK」(1977年)は、何だかかわいらしくなった感じ。
特に3曲目の「HAPPY」など、セサミ・ストリートで流れていてもおかしくない。
8曲目の「FUN」は、なんとレゲエだ。
レゲエに似合わないフルートの音色が、のどかさをかもし出す。
野太いジミーの声がリードをとる曲でも、70年代ファンクの持つ怪しさみたいな物は感じられない。
3枚目の「STONEHEAT」(1979年)は一転して、ノリノリの「BRICK INTRO」から始まる。
全体的に大きなうねりのような物があり、お洒落なだけのディスコ・ミュージックとは違う(ような気がする)。
以上、冷や汗かきながらなんとか書いたが、音楽そのものは面白かった。
同時代的にめぐり合っていたらどうなっていたか、なんてことも考えた。
例えば1976年には私は19歳である。
何かのきっかけでハマっても、おかしくは無い。
ブリックや、LTDや、レイクサイドなどを聴いているうちに映画「ブルースブラザーズ」(1981年日本公開)にぶち当たったら、どう反応したたろう。
動くJ.B.を見て、雷に打たれただろうか。
そこから古いソウルにも目覚め、過去と現在を行ったり来たりしながら、結局は80年代の半ばには打ち込みが主流になっていく現代のサウンドに見切りをつけ、過去に生きる人間になっていただろうか。
そうこうするうちにネヴィル・ブラザーズを聴く。「イエロームーン」は1989年の作品だ。
そこからニューオーリンズ音楽に興味を持ち、カリブ、アフリカと手を広げる。
結局、ソウル一筋の人にはならなかっただろうな。
まあ、そういうもんである。
上に書いたのは実際の自分に近づけてみたが、ソウル一筋バージョンもいけるかも。
古いアルバムを集めながら、オージェーズとか、デルズとか、J・ブラックフットとかの新譜を楽しみにする、みたいな。
ネヴィルからルイジアナつながりでサニー・ランドレスに出会い、ジョン・ハイアット~ライ・クーダーへとたどるロック・バージョンなんてのも出来るな。
こうやって架空の音楽遍歴をつくるのは、なかなかに面白い。
ペレケーノスが、デレク・ストレンジ・シリーズでやりたかったのは、かなりの部分、これなのではないか。
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