2人の若きソウル・マン ELI PAPERBOY REED「Come and Get It」 RYAN SHAW「It Gets Better」 [音楽]
5月15日(土)
昨日から2枚のCDを、とっかえひっかえ聴いている。
ともに、この間出たばかりの新譜である。
まずはELI PAPERBOY REED(イーライ・ペーパーボーイ・リード)の「Come and Get It」。
2008年のデビュー・アルバムから2年。
相変わらずのオールド・ソウル・フリークぶりである。
のっけは「Young Girl」てえ、まんまテンプテーションズな曲で始まる。
その後も、しばらくはモータウン風の曲が続く。
真ん中過ぎたあたりから、サザン、ディープへシフト。
9曲目のバラードでは、しっかり泣かせてくれる。
10曲目はゴスペル風。
ラストは、なんとジェームズ・ブラウンでしめた。
これみんな、オリジナルなのかなあ。どっかで聴いたことがあるような曲ばかり。
ある意味、たいした才能だ。
前回のアルバムも引っ張り出して聞いてみたが、あちらは全編、アトランティック~スタックス風味。
したがって今回のモータウン風は、新たな引き出しってえことか。
こういうバンドって、昔のイギリスあたりにゃあたくさんいたのだろうけど、アルバム何枚か出すうちに、たいてい独自の音楽性ってえのを追求しはじめるんだよなあ。
ハードだったり、サイケデリックだったり。
アメリカのストレイ・キャッツだって、パンク~ニューウェーブを経由したロカビリーみたいな感じだったものね。
でもここには、そういうとんがった気分てのが、まるで無いのだ。
これもある意味、21世紀の音楽なんだろうなあ。
生活観とか、新たな音楽性の追求とかじゃなくて、自分の好きな音楽を、そのまま色をつけずにやっちゃう。
しかもライブハウスやクラブだけではなく、アルバムも作っちゃうてところが。
ええと、さっきから奥歯に物の挟まったような書き方をしているが、私はこのバンド、好きである。
なにせ私の魂のふるさとは「ブルース・ブラザーズ」なのだから。
この調子で、どこまで行くか見守ってみたい。
できたら来日も、してもらいたい。
次はRYAN SHAW(ライアン・ショウ)の「It Gets Better」。
1980年の12月生まれというから、こちらもまだ20代。
デビュー・アルバムが出たのも、やはり2008年。
ドレッド・ヘアーの黒人で、ジャケットの写真だけ見たら、誰でも70年代のレゲエ・シンガーだと思うだろう。
イーライたちが、仲間と楽しく自分たちの好きな音楽をやっているなあと感じるのに対して、こちらは人間そのものが歌になってあふれ出てくる感じ。
自作曲が増え、そっちのほうの才能もあるようだ。
1曲目がサム&デイヴ風、2曲目、3曲目がサム・クック風、4曲目がジェームズ・ブラウン風と元ネタが透けて見えるが、とにかく声が良いので、気にならない。
特にサム・クック風の節回しには、思わずうっとり。
カーティス・メイフィールドの「ピープル・ゲット・レディ」も、これでやっちゃう。
さっきのJ・B風ナンバーも、ロック・ギターを絡ませるなど、ちょこちょこと面白い。
ただ気になるのは、このCDを出しているのが、オランダのマイナー・レーベルってところ。
これ、本国じゃあ受け入れられないのか?
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