天を目指す旅 夢枕獏「上弦の月を喰べる獅子」 [SF]
2月12日(日)
夢枕獏「上弦の月を喰べる獅子」読了。
螺旋収集家であるカメラマンと岩手の詩人が、それぞれに螺旋の中に入る。
どこかこの世とは別の場所で、記憶を失った男が浜辺に打ち上げられる。
男は、奇獣、奇人の跋扈するその世界で、やみくもに上を目指す。
その旅は進化を模しており、また仏教の世界観を反映しているようだ。
はたして男の正体は?そしてこの世界の意味とは。
一応オチはついているんだけど、全体としてはよくわからなかった。
毎回おんなじこと書いているな。
私は本来、現実の世界にSF的アイディアをぶっこんで物語を転がしていくみたいな方が好みだ。
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」とか「カウボーイ&エイリアン」とか。
そういう意味では、もうちょっとこちらの世界の分量があった方がよかった。
とはいえ、これはこれで楽しめたわけだから、私の頭も多少は鍛えられたかな。
そのうち、ダン・シモンズあたりにも挑戦したい。
とはいえ、ぶっ飛び系が続くと、それぞれの印象が薄れるかもしれない。
次はバランスを取る意味でも、地に足の着いた物を。
久々にSFを離れて、山手樹一郎など良いのではないか。
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