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渋谷に5時 渋谷「富士屋本店」「渋谷公会堂 テデスキ・トラックス・バンド」「とりすみ」 [東京]

2012年2月8日(水)
 渋谷駅に着いたのは、夕方の5時少し前。

 雨が降ったらしく、道が濡れている。
 駅前のトイレで用を足せば、もういい時間。
 何がいいかというと、立ち飲みの「富士屋本店」が開く時間なのである。
 246をまたぐ歩道橋を渡り、路地を入る。
 少し行った右手に看板が見える。
 とんとんと階段を下り店に入ると、もう数人の先客がいる。
 立ち飲みにしては広い店内。
 真ん中にこれも結構広い厨房スペースがあり、それをカウンターがぐるりと取り囲んでいる。
 さらに壁に沿って、ぐるりとカウンター。
 壁には所狭しと品書きの木札や短冊。
 奥の黒板には、刺身やテンプラ類が書かれている。
 私は、調理器具のある場所の前、カウンターがコの字型にへこんだ角に陣取る。
 見晴らしも良く、一等地である。
 飲み物は瓶ビール(サッポロ黒ラベル大瓶 450円)。
 目の前に千円札を出しておくが、ビールが出てきた段階ではとらない。
 つまみに、アジフライ(400円)を頼む。
 あっという間に店は混んできた。揚がるまでには、少しかかりそう。
 てなもんで、ここの名物らしいハムキャベツ(300円)も頼む。これは速攻で出てきた。
 すでに盛り付けたものがあって、ラップを外すだけである。それだけ、みんな頼むんだろう。
 この段階でも、お代はまだ。
 店の人が、小さなメモ用紙に出したものを書きつけておく。
 ハムキャベツとは、刻んだキャベツの上にハムを敷きつめたもの。
 ハムとキャベツの間には、ドレッシングがかかっている。
 ハムでキャベツを巻き込むようにして食べる。
 ビールに合わせるには、なかなかの優れものだ。
 そうこうしているうちに、アジフライが揚がる。
 「ソースですか、醤油ですか?」ときかれたので「ソースで」。
 すると、最初からソースがかかって出てきた。
 こちらにもキャベツの千切りが添えられており、ドレッシングがかかっている。
 やはりビールの友である。
 まあホッピーにも合うが、今日は後がある。
 ベロベロに酔っぱらうわけにはいかない。
 しかし、もうちょっと飲みたい。で、日本酒にした。
 「熱燗」と頼むと、ガラスの一合徳利に入って出てきた。
 瓶ごと温めるのではなく燗付機から注がれる。
 本当に熱々である。これで280円。
 べたつかず、ハムや揚げ物でもOKである。
 ぬる燗の純米酒などではこうはいかないのではないか。
 普通酒の熱燗だからこそ受け止められるということもありそうだ。
 とはいえ、ここには刺身もある。
 燗酒をお代わりし、マグロブツ(350円)を頼む。
 ああ、しみるなあ。
 店内は、もうかなり混んできた。しかし広いので、まだ余裕がある。
 今まで何回か飲んではいるのだが、今日が一番リラックスできる。
 やっと、店を構成するピースの一片になれた気分だ。
 この店が、もうちょっと家の近くにあればなあ。
 仕事の帰りか、休日の夕方ふらりと立ち寄るには、最強の所である。
 
さて、そろそろ出るか。
 「ごちそう様」と言って階段を上る。
 外に出れば、現代の渋谷の街だ。
 今日は「渋谷公会堂」に、「テデスキ・トラックス・バンド」を聴きに行く。
 まだ会場までには時間があるので、「サムズ・レコード・ショップ」でものぞいてみよう。
 しかし店をのぞくと、中はぐちゃぐちゃ。
 改装でもするのかな。
 これは後で調べたのだが、去年で店はしめたみたい。
 今や小さなCDショップは、この渋谷でさえ存在が難しいようだ。
 かつては小さな町にも、一軒ぐらいはレコード屋があった。
 今や昔の物語だ。
 そのままセンター街をぶらぶら歩く。
 まだ時間が早いせいか、あのギラギラした感じは無い。
 途中立ち食いの蕎麦屋でもないかと探しながら渋公方面へ。
 場所はあたりをつけてきたのだが、いつの間にか知らないところを歩いていた。
 やっぱり酔っぱらってるなあ。
 それでも、なんとかたどり着く。
 会場10分前。係員が列を作るように指示している。
 まあ並んだところで席は決まっているのだが、とりあえず私も並ぶ。
 早く入れば、早く行動できるからだ。
 列などに並ばずに、その辺にたむろしている人間も結構いる。
 渋公前の広場はそれなりに広く、混乱が起きるような場所ではない。
 時間になり入場。
 パンフレットでも買おうかと思うが、グッズ売り場は列ができている。
 先にトイレに行っておこう。
 何せ、この寒空にビールである。年をとると、トイレが近くなるのだ。
 用を済ませ出てくると、売り場の列は階段の上まで伸びている。
 まあいいや。席に着こう。
 ロックコンサートだけあって若者が主体だが、結構白髪頭も目立つ。
 とんがりヘアーや、鼻ピアスなどの人間は見かけない。
 その辺にいる普通の人たちだ。
 時間になり、ステージにメンバーがばらばらと登場。
 何の仕掛けもない。
 客も着席のまま拍手で出迎える。
 私のイメージするロックコンサートとはなんか違う。しかし演奏は最高だった。
 真ん中右手が、スーザン・テデスキ。
 迫力のある声で歌い、ギターも格好良い。
 左手にデレク・トラックス。
 奥さんであるスーザンに寄り添うように、ちょっと斜に構えてギターを弾く。
 現代のスーパー・ギタリストとして名高いが、派手なアクションなど一切なし。
 たまにソロをとる時に、のそのそ歩くぐらい。
 バンドの音は、タイトでファンキー。
 右手奥が、男2人のコーラス隊。
 その前が、3人のホーン隊。
 中央奥は、ドラムスが2人。
 左手に、キーボード。
 フロントの2人と右手のドラムス以外は黒人である。
 昔ライブで観たネヴィル・ブラザーズを思い起こした。
 スーザンのギターも素敵で、ブルースなど弾く姿は官能的である。
 デレクと2人でギュンギュン弾きまくると、ステージに竜巻が起きたような感じがした。
 動く姿を観るだけなら、DVDや動画サイトもある。
 だが、やはり現場は違うなあ。
 大満足のステージが終わったのは9時半ぐらい。
 あらためてパンフレット(2000円)も買う。
 このパンフレットってやつ。やたらでかい割には情報量が少ない。
 一種の記念品みたいなもんか。
 ぶらぶらと渋谷駅をめざす。
 人の流れができているので、ぼーっと歩いていても大丈夫。
 まだもうちょっとぐらいは飲めそうだ。
 井の頭線近くの路地にある「とりすみ」に入った。
 入口の上には、
ホッピーの文字が入った小さな赤提灯が並んでいる。
 何回か前を通ったことはあるが、入るのは初めて。
 入ってすぐテーブルが2卓。
 その奥がカウンター。
 さらに奥には、座敷があるようだ。
 テーブル席にも、カウンターにも先客がいる。
 思ったより、こぎれいな店だ。
 私はカウンターの端に座った。
 赤提灯に誘われてホッピー(510円)を頼む。
 ジョッキに氷入りで出てきた。
 ホッピーを注ぐと半分ぐらい余る。
 つまみは、魚肉ソーセージエッグ(400円)を頼む。
 他にお客さんもいるので、出てくる前に一杯飲み終わってしまう。
 焼酎ナカ(確か330円)を頼む。
 出てきたソーセージエッグは玉子が2つの目玉焼き。醤油をかけて食べた。
 目玉焼きってのは、ホッピーに合うんだよなあ。
 これが玉子焼きになると、日本酒かビールだ。
 メニューにナポリタンがあって、これもそそられる。
 ホッピーを食後酒としてとらえれば、バーのようにも飲める。
 〆の麺類もとれるし、色々使い勝手はよさそうである。
 とはいえ、そろそろ終電の気になる時間。
 これで切り上げることににする。
 お勘定は1300円台だったと思う。
 「酒場にいこう」も、この記事で千回目。
 どんなものでも千を数えれば、なにがしかの価値があるのではないかと思う。
 そりゃあ酒場訪問記や、映画や音楽の感想だけで千の方がその価値は高い。
 読む方にとっても付き合いやすいし。
 しかし私の場合は、この形でなければ続かなかったのではないか思う。
 さあ次は、千一回目だな。


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