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軽演劇 小林信彦「昭和のまぼろし」 [本]

10月7日(木)

 エッセイ十番勝負 その七は、小林信彦「昭和のまぼろし」。
 2005年に週間文春に連載したエッセイをまとめた物。
 新潟大地震、小泉フィーバー、東京大空襲、集団疎開など扱う筆にも熱が入るが、映画とか、芸人のことなどが本来のフィールド。
 巻頭から「ミュージカル映画・ベスト10」「ケヴィン・スペーシーに脱帽」と、ミュージカル(もしくは音楽)映画ネタが続く。
 ケヴィン・スペーシーが往年のボビー・ダーリンにそっくり、なんてのは、やっぱりこういう年代の人が書くと説得力がある。

 舞台関係では「伊東四郎一座 再結成公演」について書いてあるのが興味深い。
 伊東四郎一座と言う名前であるが、この劇団の中心は三宅裕司である。
 その証拠に、伊東四郎が出られない時は「熱海五郎一座」として公演を続けている。
 しかし、その三宅裕司の劇団であるS・E・T(スーパー・エキセントリック・シアター)については、まるで触れていないのが不思議である。
 ともに東京人で、コメディーやポップスに愛着がある等、共通点は山ほどあるのに。
 「軽演劇」というものにこだわりがあるようなので、アクの強いS・E・Tの芝居は、興味の範囲外なのかもしれない。
 S・E・Tファンの私としては、舞台評など読んでみたいのだが。
 まあそれはそれとして、確かにあっけらかんとした軽演劇と言うのも観てみたい。
 話としては、下町人情軽ハードボイルドみたいな感じ。
 松田優作か内藤陳みたいな探偵が主人公。
 いつも酒びたりで、灰皿には吸殻が一杯。バックにはマイルス・デイビスが流れる。
 恋人はクラブ歌手。若作りしているが、別れた亭主との間に息子がいる。
 そこへ宍戸錠のような謎の男が現れて・・・てな具合。
 あ、これじゃあ軽演劇じゃないか。下町人情物でもないし。
 でもこんな感じの芝居を延々とやるような、小劇団って無いかな。
 下北沢じゃあ遠いから、出来れば野毛の「にぎわい座」あたりをホームにして。
 前にも似たようなことを書いたかもしれないが、気にしない、気にしない。


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