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京急本線呑みある記 その39 蒲田「G.G.C.(グレート・ジャーマン・クック)」「たわら屋」 [京急本線呑みある記]

2009年6月2日(火)

 京急に乗って川崎で下車。またもチネチッタで、寅さんを観るのだ。
 その前に「天龍」という中華料理屋で昼飯。初入店である。以前から、前を通るたびに気になっていた。ホッピーの、のぼりも出てるし。
 並びはしたが、すぐ入ることが出来た。席は全てカウンター席。右手奥のところに座り、
冷やし中華を頼む。私の座ったあたりは、他の席に比べて多少余裕がある。と思ったら、注文を書いた伝票がひっきりなしに私の横を通り、目の前の積み上げた皿に差し込まれる。だから、ここだけ席がゆったりしているんだ。
 カウンターの中には何人も店員がいて、席の番号を言いながら次々と料理を手渡していく。料理を作る音、食器を洗う音、注文を受ける声などが店内を飛び交い、実に賑やかだ。酒を飲む時には、あまりガチャガチャした所は苦手なのだが、昼飯の場合は活気があってよろしい。お茶が少なくなれば、さっと入れてくれるし。
 冷やし中華は、いわゆる和風のスッキリした物とは違う。どろっとしてツユだく。具は、くらげ、蒸し鶏、キュウリといったところ。他の客が食べている焼きそばが美味そうだ。今度来た時は頼んでみよう。餃子もつけて。
 店を出ると、近くに「天龍三世」という小さな店もある。これは後で調べたのだが、川崎に全部で5店舗あるらしい。本店も近くにあるようなので、そのうちのぞいてみたい。

 さて寅さん。「男はつらいよ ぼくの伯父さん」だ。
 恋の主役は、甥の満男に移っている。相手はゴクミ。これは渥美清が体調不良の為で、苦肉の策だったようだ。
 浪人生である満男の恋と苦悩。それを取り巻く人達の戸惑いは切ない。しかし、それだけでは娯楽映画にならない。やはり、風のような寅さんあってこその「男はつらいよ」だ。

 映画の後、チッタの中にあるタワーレコードでデヴィッド・リンドレーの「El Rayo-ⅹ」を買う。確か昔「化け物」って邦題がついていた。ジャケットに写るデヴィッド・リンドレーは、確かにそんな感じだではある。しかし、アルバムのタイトルに「化け物」ってのは、あんまりではないか。

 化け物、いや「El Rayo-Ⅹ」を買った後、京急の駅まで戻り、いざ蒲田である。
 駅の上では、高架工事の真っ最中。西口の小さな改札を通り、右手へ進む。角に以前入ったことのある立ち飲み「たわら屋」が見えた。開店の16時までには、まだ少し時間がある。
 呑み川沿いに少し歩く。午前中晴れていた空は、曇ってきた。川の色は深緑だ。橋のたもとで、左に入る。「とっちゃん」という立ち飲み屋があった。やってるような準備中のような。まあ、もう少し歩こう。
 アーケード商店街と呑み川の間は、ごちゃごちゃ飲み屋街。そこここに「京浜蒲田 柳通り」と言う看板が見える。「京浜」と言うのが、時代を感じさせる。今は川崎も鶴見も頭に京急とつくのだが、昔は京浜〇〇だった。やはり京急の方が、小田急や東急を連想させてスマートなイメージがあるのだろうか。京浜だって格好良いと思うのだが、どうも京浜工業地帯のイメージが強いのかもしれない。いつの間にか、京浜女子大は鎌倉女子大になっちゃったし。
 ちなみに、先ほど観た「寅さんシリーズ」は、松竹大船撮影所で撮影されている。今、その撮影所の跡地には、鎌倉女子大が建っている。一時期、大船撮影所には「鎌倉シネマワールド」なるテーマパークがあった。私も子供を連れて行ったことがあるが、「男はつらいよシリーズ」の終了によりフェイドアウトしていった。
 大船の前は、ここ蒲田に松竹の撮影所があったらしい。だもんで、JR蒲田駅のチャイムは、蒲田行進曲なわけだ。移転の原因が、工場の騒音がトーキーの撮影に支障をきたす為と言うのは、実に蒲田らしい。
 そんな庶民の町蒲田であるからして、かつては幾つもの映画館があったらしい。しかし、現在は2館を残すのみである。
 映画の街の名は、すっかり川崎に移ってしまったようだ。しかし川崎の映画館は全てシネコンであり、また飲食店も案外チェーン店が多い。それに比べると、蒲田は個人営業の小さな店が多いような気がする。しかもどこか垢抜けなく、ごちゃごちゃとした感じ。野毛と良い勝負かもしれない。

 そのごちゃごちゃとした柳通りから、すっきりとしたアーケード商店街に入る。一見普通の商店街だが、駅に近づくにつれて居酒屋や焼き鳥屋が目に付くようになってくる。早い時間から営業している所もある。その中で目に付いたのが「G.G.C.」という店。どうやらドイツビールの店らしく、ごつい店構えである。営業は15時からとの事で、もう入れる様子。歩いたし、一休みしよう。
 中に入ると、重厚な山小屋風の造り。結構広い店内には客は誰もいない。カウンターもあるが、作業中の様子。テーブル席に座る。
 若い男性が、大きなメニューを持ってきた。ハイネッケンやギネスもある。しかし、せっかくだ。ドイツの生ビールを呑みたい。ドイツ大使館御用達と言う触れ込みのプリンスという銘柄を選ぶ。ジョッキは小から始まって、多くのサイズがある。とりあえず中(780円)にした。出てきたのは、中にしては小ぶりのジョッキ。居酒屋でこれだとがっかりだが、こういうところだと好奇心が先にたつ。
 ビールは良く冷えており、味もスッキリしている。ドイツのビールと言うと、もっと濃い感じを想像していたので、以外だった。
 つまみに、スモークチキン(700円)を頼む。料理はスモーク物、ソーセージ、ポテト、チーズ、サラダ等、いわゆるビアホールのつまみ系が多い。ドイツ料理の店と言うより、ビールやワインを楽しむ為の店と言う感じがする。
 中ジョッキを呑み終わる。他の銘柄も考えたが、美味かったので結局、同じプリンスの大(1,050円)を頼む。今度は、陶器のジョッキで出てきた。ちなみに、中ジョッキはガラスである。
 BGMは、ドイツ民謡かな。ドイツの音楽と言うのは、クラシックか民謡のイメージである。当然、現代人が聴くポピュラー・ミュージックもあるはずだが。あまり良く知らない。知っているのは、ネーナとかクラフトワークぐらい。あ、ジンギスカンもそうか。そういえば昔、スコーピオンズが好きで良く聴いていたな。うーむ、案外知ってるな。
 壁には「G.G.C.鶴見店」の文字も見える。私が知らないだけでチェーン店なのだろうか。
 スモークチキンをつまみながら、大ジョッキを呑み終わり、お勘定。
 計 2,530円。
 お金を払いながら「他にも店はあるんですか?」と訊いてみる。
 「ええ、京急鶴見に」
 と言うことは、2軒だけってことか。
 こんな客もいない時間帯から営業していることも含めて、謎の多い店である。

 店を出てまた少し歩く。開いてる居酒屋もあるが、やはり立ち飲みの「たわら屋」に行きたい。くるりと回り込めば、もう入れる。
 立ち飲みにしてはそこそこ広い店内は、テーブル席がいくつか並んでいる。先客はいないので、テレビの観やすい真ん中あたりに陣取る。
 店の人間は、お兄さんが1人。入り口の近くにレジと厨房があり、そのあたりでスタンバっている。店の壁には角ハイボールのポスターがずらり。では、その角ハイ(250円)を頼もう。お兄さんに言えば、テーブルまで持ってきてくれる。と同時に伝票も置いていく。後は追加するたびに、ここに書き加えられていくわけだ。つまみにハムサラダ(350円)。つまみは100円台からあって、だいたい200円から300円台。先ほどの「G.G.C.」から移って来ると、別世界である。

 テレビでは水戸黄門。前に来た時も、水戸黄門をやっていた。あれから時がつながってしまったような、妙な感覚を憶える。
 諸国漫遊物ってのは、長大なシリーズに向いているんだろうなあ。話はワンパターンでも、舞台とゲストで目先を変える。「月影兵庫」や「花山大吉」なんかもそうだよね。映画では「男はつらいよ」「トラック野郎」「渡り鳥」「網走番外地」など枚挙にいとまがない。最近では「釣りバカ日誌」が孤塁を守っていたが、出演者が高齢のため、次作で最期になるようだ。
 もうこの手の全国漫遊物は作られ無いかもしれない。特に時代劇は絶望的だろう。一発だけなら、映画版「水戸黄門」なんてのも、観てみたいけど。
 となると現代劇。やっぱり「酒のほそ道」だな。コミックでは、ほとんど都内で話が進む。これはドラマでやってもらって、その後「酒のほそ道 ザ・ムービー」で出張する。これで当たればシリーズ化だ。元々酒の呑み方やつまみの薀蓄などがメインなので、地方の特色を生かせるし、居酒屋などは架空の店を作っちゃえば、迷惑がかからない。
 
 少しずつ、お客さんも入ってきた。若い人はボリュームのあるものを、どんどん食べている。こちらは、角ハイを追加。つまみは、ハムサラダで充分だ。
 水戸黄門は見事悪を懲らしめて終わり、テレビではGM経営破綻のニュース。
 計 850円

 


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