ストイック ラズウェル細木「美味い話にゃ肴あり」

2005年12月30日（金）

コミックを読む。
ラズウェル細木「美味い話にゃ肴あり」。
居酒屋「酔庵」を舞台に、マスターや常連客のやり取りで成り立っている。
「酒のほそ道」の宗達があちこち呑み歩くのに比べると、場所を限定したのが趣向だ。
「BARレモン・ハート」の居酒屋版か。
もっともこちらのマスターは、レモンのマスターに比べるといたって控えめ。
ウンチク話も無い
どちらかと言うと、常連客達の方がよくしゃべる。
話の中で地味な分、それぞれの後についている「マスターの本音トーク」と言う文章でバランスを取っている。
但し、こちらにもウンチクは無し。
「酔庵お献立　今宵の一品」と言うコーナーに多少その気があるが、取り上げられているのは、オーソドックスな献立ばかり。

こりゃあ、ストイックだ。
主人公のキャラや知識に頼らず、毎回話を作らなければならない。
場所は、ほぼ限定。
色恋も無ければ、アクションも無い。
不思議譚や人情話も無し。
居酒屋好きには、面白いが。
かなり、読者を選ぶような気がするなあ。