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現代のおとぎ話 エドワード・D・ホック「怪盗ニック登場」 [本]

2011年2月24日(木)

 エドワード・D・ホック「怪盗ニック登場」読了。
 人の依頼を受けて盗みを働く怪盗ニック。
 報酬は最低2万ドル。
 現金や宝石といった一般に価値のあるものは、お断り。
 もっと動物園の虎とか、メジャーリーグのチームとか、陪審員とかも盗んで(誘拐?)いるので、価値うんぬんはあまり意味が無いような気がする。
 一風変わった依頼で、ニックが興味を持つかどうかにかかっているわけだ。
 泥棒版シャーロック・ホームズともいえる。
 ただ法のこちら側にいるホームズと違って、結局、犯罪の片棒を片棒を担ぐことになる事が多い。
 つまり裏社会の人間で、なおかつ、それなりに有名人でもあるようだ。
 そんな人間が、変装もせずに次々と人に会い仕事をしているのは、いかに広いアメリカといえどもリアリティーが無いとは言える。
 怪人二十面相やルパンのほうが、まだ整合性が取れているのではないか。
 まあその辺はご愛嬌で、現代のおとぎ話として楽しむのが正解なのだろうな。
 ニックにはグロリアと言う彼女がいるのだが、一話ごとに美女が絡んでくるのも趣向である。
 これドラマ化したら楽しいと思うのだが、泥棒の話だから難しいかな。
 なら映画か。
 「夜の冒険」を読んだ時にも感じたのだが、この人の短編は結構長編向きの話が多いのだ。
 元の作品は短いほうが、映画としての工夫も出来るし。
 まあそれはそれとして、このように気楽に楽しめる娯楽小説と言うのは良いもんだ。
 ポツリポツリでいいからクレイグ・ライス、A・A・フェア、ジョン・D・マクドナルドなどの作品あたりも復刊させてくれないかな。
  
   


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