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追いつ追われつ 船戸与一「非合法員」 [本]

2010年12月6日(月)

 船戸与一「非合法員」読了。
 主人公の神代恒彦は、CIAの非合法員(イリーガル)だ。
 金で雇われ、世界各地でやばい仕事をする。
 要するに殺し屋である。
 正規職員に比べると身分の保証は無いが、その分報酬は良い。
 今回はMIM(メキシコ保安局)の依頼で、ユカタン半島で仲間とともに一仕事。
 しかし報酬をもらう段になって、次々とトラブルが降りかかってくる。
 金ももらえず、命を狙われるようになった彼らは、アメリカに戻り真相を知ろうとする。
 
 外浦吾朗の名で「ゴルゴ13」の原作も書いていた作者の第一長編。
 1979年の作品だ。
 ベトナム戦争の傷跡がまだ生々しく残っていた時代の話で、「ランボー」プラス「ゴルゴ13」みたいな感じ。
 船戸与一の作品は、昔何冊か読んだ。しかし、迫力はあるがストーリーが頭にすっと入ってこなかった記憶がある。
 まあこれは、私の読解力の問題なのだが。
 それに比べると、今回は大体把握できた。
 クリント・イーストウッドと、ペレケーノスを経由してきたせいだろうか。

 実は本書を読む傍ら、北上次郎の「新刊めったくたガイド大全」をぱらぱらと読み直していた。
 1979年から1994年までの冒険小説のブックガイドで、船戸与一や志水辰夫などの大物が次々と現れた時代の熱気が伝わってくる。
 日本のものは時代小説を軸にすえようと思っていたのだが、どうもこの手のアクション物にも興味がわいてきた。
 大藪春彦や西村寿行あたりまでさかのぼる可能性があるが、はたしてどうなることやら。


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