ほろ酔いミステリー 小泉喜美子「弁護側の証人」 [本]
2010年11月19日(金)
小泉喜美子「弁護側の証人」読了。
大富豪の家に元ストリッパーの若い娘が嫁いで、そこで殺人事件が起きる。
誤認逮捕があり、冤罪を晴らすために一見さえない酔いどれ弁護士が登場する、という話。
古典的な設定で、実を言うと私はこの手の話が苦手なのだ。
途中で少しだれたが、しかし読み終わるとすっきり。
謎解きミステリーは、長編でもこれくらいの長さが良い。
仕掛けられたトリックも、シンプルで好感が持てた。
大仰なオビの文句など、目に入れないほうが良い。
肩に力を入れずに、素直に向きあおう。
調べてみると、これが作者の第一長編で、1963年の作品。
色々あって第二長編の「ダイナマイト円舞曲」は1973年。
同年には小林信彦の「合言葉はオヨヨ」が出ている。
読み始めたばかりのミステリマガジンに、書評が載っていた。
「オヨヨ」はすぐ読んで速攻はまったが、小泉喜美子には結局縁が無いまま。
しかし、その名前とともに作者の経歴として紹介されていた「弁護側の証人」と言う書名も記憶に残っていた。
そういう意味では、感慨深い物がある。
ちなみに私が初めて買った「ブラックミュージック・リビュー」のレコード評欄に載っていたのが、ルーサー・ヴァンドロスの「ネヴァー・トゥー・マッチ」と、マーク・サダーンの「エキサイティング」。
当時はもっと古い音楽に興味が有ったので、手を出さなかった。
結局「ネヴァー・トゥー・マッチ」は1年ぐらい前、「エキサイティング」はついこの間手に入れて聴いている。
なかなか良い感じで、1980年代初頭のソウルミュージックと言うものに、改めて興味を抱いているところだ。
考えてみると、小泉喜美子もルーサー・ヴァンドロスも故人である。
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