SSブログ

東京喜劇に大衆酒場 熱海五郎一座「狼少女TOH」 大井町「大山酒場」 [東京]

5月23日(水)

今日は休み。
東京に、熱海五郎一座の芝居「狼少女TOH」を観に行く。
場所は、天王洲アイルの天王洲銀河劇場。
横須賀からだと、まず京急で横浜へ。
京浜東北線に乗り換え、大井町。
そこから、りんかい線に乗り換え、天王洲アイル駅と言う経路になる。

名サイト「居酒屋礼賛」によると良い居酒屋や、焼き鳥屋が有るようだ。
大井町は、普段縁が無い。
この機会に降りて、街を歩いてみよう。
西口から、外に出る。
駅の周りは、でかいビルばかり。
目指しているのは、「東小路」という飲み屋が密集している場所。
しかし、なかなか見つからない。
駅から近いようなので、ろくに調べもしないで来てしまった。
結局、駅の周囲をぐるりと一周してしまう。
更に同じところを少し歩いて、やっと見つかった。
何のことは無い。
東口から出れば、すぐ近くだ。
線路沿いに入口があり、大井町銀座商店街と平行している、
東口だから東小路って事かな。
お目当ての大衆酒場「大山」の看板もある。
良かった、これで安心である。

芝居は、午後2時開場。
2時30分開演。
マチネーって奴だ。
そうい言われちゃあ、しょうがない。
今は、昼の12時30分。
どこかで、昼飯を食べていこう。
大井町は食肉市場が近いため、肉物の充実地帯らしい。
と言うことで、大井町銀座商店街の「丸八とんかつ店」に入る。
「丸八」は人気店のようで、混んでいる。
しかし、時間的に入れ替えのタイミング。
すっと、カウンター席に着くことが出来た。
カウンターは、白木で高級感が漂う。
とはいえ店全体としては、さほど気取っているわけではない。
ヒレカツ定食(1700円)を頼む。
他にも、上ロース定食(1400円)や、並カツ定食(確か1000円未満)などがある。
めったに来る場所じゃないので、一番高いもの頼んじゃった。
昼も後半に入ってきたので、日本酒を呑んでいる人や、ビールを呑んでいる人がいる。
私の左右は、2人とも呑んでいる。
一瞬心が動いたが、この後芝居がある。
酔っ払って、筋が判らなくなっちゃうと困る。
酒臭い匂いをまとわりつかせて、小ぎれいな劇場に入るのもはた迷惑かもしれないし。
匂いってのは、自分じゃあ気がつかないことが多い。

気がつかないと言えば、面白い客がいた。
若い男が店に入ってきて、カウンターに座る。
店を見渡し、段々怪訝そうな顔つきになる。
「あのー、ラーメンはどこにあるんですか?」
「うちは、ラーメンはやってないんですよ」
「あ、間違えました」
そういえば、隣はラーメン屋だった。
私も粗忽者なので、そのうちやるかもしれないが。
もしかしたら、実際にやってるかもしれないなあ。
酔っ払って喫茶店に入り、ラーメン注文してたりして。
で、結局そこでラーメン出してもらったりして。
で、「ご馳走さまあ」なんて言って、最後までラーメン屋に入ったつもりになってたりして。
うーん、ウルトラ・アリエールだ。

とりあえず、今日は間違いなくヒレカツ定食を食べる。
ごろりとした、中々ごついヒレカツだ。
あ、これは見た目の事で、中身は柔らかい。
店を出、まだ時間があるので、再度街を探索。
やはり東小路の辺りに、心引かれる。
狭い路地に飲み屋やラーメン屋などがぎっしり詰まっていて、中々の迫力である。
でもまわりは、大きなビルばかり。
いつかは、再開発されてしまうのだろうか。

時間になり、りんかい線で天王洲アイルへ。
「銀河劇場」のあるビルはモノレールの駅からだとすぐだが、りんかい線の駅からだと少し歩く。
と言っても、たいしたこと無いが。
私同様芝居を観に来たらしい人たちが、道端の地図を見ている。
少しずつ、人の流れが出来てきた。
これに乗っていけば、良いだろう。
これで全然違ったところに入ってしまい、最後まで気がつかなかったら面白いのだが、さすがにそんなことは無い。
無事「銀河劇場」あるビルにたどり着いた。

ビルの中に入って、何か見覚えのあるのに気がついた。
その時も、芝居を観に来たんだっけ。
確か「スモーキー・ジョーズ・カフェ」と言うブロードウェイ・ミュージカルだった。
リーバー&ストーラーの曲を全面的にちりばめたミュージカル・ショー。
リーバー&ストーラーと言うのは、1950年代から60年代をを中心に活躍したソングライターのコンビ。
コースターズやドリフターズ、そしてエルビス・プレスリーなどに曲を提供した。
プレスリーの「ハウンド・ドッグ」やベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」などは、かなりの人が知っているのではないか。
家に帰ってプログラムを見てみると、「スモーキー・ジョーズ・カフェ」の公演は1998年の事。
もう10年近く前だ。
当時の劇場の名前は「銀河劇場」ではなく、「アートスフィア」。
まだ、りんかい線は無く、モノレールに乗って行ったっけ。

このあたりの音楽は、実にしぶとい
映画で言えば「ブルース・ブラザーズ」「天使にラブソングを」。
21世紀になっても、「ドリームガールズ」なんてのが作られた。
伝えたい人がいて、受け取る人がいる。

話が暴走したが、今日観るのは「熱海五郎一座」。
座長は三宅裕司。
熱海五郎と言う人はいない。
元々は「伊東四郎一座」として旗揚げされたが、伊東四郎が抜け「熱海五郎一座」となった。
名前の由来は、伊東の次だから熱海。
四郎に一歩及ばないので五郎、ということらしい。
コンセプトは、東京喜劇伝承である。
メンバーは三宅裕司、小倉久寛、白土直子、丸山優子、宮内大、その他のSET勢。
渡辺正行、ラサール石井、春風亭昇太、東貴博、南原清隆等テレビ界の人気者。
タイトルの狼少女には、G-ROCKETSから関根あすかという布陣。
この人については良く知らないが映画「阿修羅城の瞳」やミュージカルの舞台などに出ているらしい。
演出は、三宅裕司。
SETの土台に人気タレントが乗っている、といった趣。

話は、東南アジアのジャングルで見つかった狼少女を巡り、ライバル同士のテレビ局が視聴率合戦を繰り広げるというもの。
狼少女と言っても、月夜の晩に狼に変身する訳ではない。
狼に育てられた、野性の女の子である。
SETなら、全世界を巻き込んだ陰謀渦巻く話になるところ。
だが、こちらはテレビ界のやらせと、捏造程度にスケールを絞っている。
あまり風呂敷を広げず、勝手知ったる世界で、のびのびやろうということだろう。
みんな忙しいスケジュールの合間を縫っての参加だろうから、緻密な稽古などは出来ないに違いない。
その分は個々の芸でカバー、と言った感じか。
何故そんなことを考えたかというと、メンバーによって出来にばらつきがあったからだ。
三宅裕司、小倉久寛を始めとするSET勢は、もうばっちり。
テンポ良く、笑わせてくれる。

違和感が有ったのは、渡辺正行とナンチャン。
渡辺正行には緊張感が無く、ナンチャンは硬かった。
マチネー(昼間の公演)だったので、ノリが悪かったのかも。
良かったのは、ラサール石井。
自然で、無理に笑わせようとしないところが良い。
普段自分で演出もしているので、舞台を観る目がしっかりしているのかな。
春風亭昇太とアズマックスも、持ち味を発揮していた。
春風亭昇太は、椅子に座って足をぶらぶらさせているだけで、笑いを取ってたりして、中々あなどれない。
別に、あなどっていたわけじゃないけど。

ナンチャンは、今回が初参加。
ラサール石井やアズマックスは、「伊東四郎一座」の旗揚げからの参加。
その辺の、馴染み具合なのかな。
もっとも、渡辺正行も「伊東四郎一座」からの参加。
これが、この人の持ち味なのかもしれない。

狼少女役の関根あすかは、凄い。
アクロバティックな体技が得意らしく、バリバリアクションをこなしている。
大変な身体能力だ。
その代わり、台詞は「トー」しかないのだが。

「伊東四郎一座」から数えても、まだ四作目。
これからも続けて、SETと違った喜劇を追及していってもらいたい。
出来たら、伊東四郎さんにも復帰してもらって。


芝居の跳ねた後、りんかい線に乗って大井町へ戻る。
時間は、5時10分過ぎ。
ちょうど良い。
場所を確認してあった「大山」に行こう。
店は東小路の入口にあり、わかりやすい。
しかし入口が、細い路地を少し入ったところにある。
手前にも入口らしきものがあるのだが、そちらは使っていないようだ。
年期の入った扉を開け、中に入る。
すぐ、細長いカウンター。
奥に先客がいるので、入口近くに座る。
椅子は、木の丸椅子。
太い鉄の棒で、床に固定されている。
座る部分は、良い具合に尻ずれしている。
見れば右手奥にも、もう一組同じようなカウンター。
そちらにも、先客が1人。
その奥には、大型テレビ。
相撲をやっている。
勿論相撲をやっているのはテレビの中であって、お客さんではない。
当たり前か。

カウンターの中には、年期の入ったおばちゃんたちが何人も。
白い割烹着のような物を、着ている。
お客さんの差し入れのお菓子を、みんなで分け、テレビの相撲で賑わう。
気さくな大衆酒場だ。
とりあえず、瓶ビール(キリン一番絞り大瓶 560円)を頼む。
他にビールは、スーパードライもある。
つまみは、そら豆(350円)。
コップが常温のため、ビールの冷えが今一だが、それもまた風情である。
ハムエッグ(420円)も頼む。
「半熟で?」と訊かれたので「半熟で」と答える。
刻んだキャベツに乗って出てきた。
醤油をかけていただく。
普段ハムエッグって
食べないのだが、こういうところで食べると良いなあ。

ビールの後は、梅サワー。
値段を忘れてしまったが、確か安かったはずだ。
300円ぐらいだったかな。
ちなみに、ホッピーは無い。
更に、ゴーヤチャンプルー(600円)も頼む。
豚肉のケチャップ炒めにも惹かれたが、昼飯が豚カツだった。
多少は、健康の事も考えよう。
梅の淡い甘さと、ゴーヤのほろ苦さが大人の味わい、なんちゃって。
なんちゃっては、古いか。
そういえば、なんちゃっておじさんなんてのもいたな。

段々混んできた。
グループ客は、2階へ案内されている。
まあ混んできたと言っても、ぎゅうぎゅう詰めにはならない。
テレビのあるほうのカウンターから、埋まっていくということもある。
のんびり呑むには、この方が良いなあ。

梅サワーを、もう一杯呑む。
梅味と言うのはとんがった所がなくて、だらだらするにはちょうど良い。
だがこの段階で、結構酔っ払ってしまう。
最近、酒に酔うのが早くなった。
まあ、いくら呑んでも酔わなくなった、なんてのよりは良いか。
名残惜しいが、とりあえず
ここは出よう。
他の店も、のぞいてみたいし。
計2530円。

少し歩いて焼き鳥屋にでも入ろうと思ったのだが、どうもまだその気になれない。
腹も酔いも、満足しちゃっている。
他の店にも興味はあるが、体が求めていないようだ。
こうなりゃ京浜東北線に乗って、横浜まで行こう。
電車に乗っている間に、少し落ち着くだろう。

次回に続く。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。