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地底のロストワールド2 銀座「三原」 [東京]

1月17日(水)

1丁目から銀座通りを歩いた。
映画の帰り。
あまり寒くは無い。
華やかな気分になる。

4丁目の交差点で左折し、三原橋地下へ。
がらりと世界が変わる。
入ったのは
季節料理「三原」。
場末の居酒屋。
本当に、すぐそこが4丁目の交差点とは思えない。
半端な時間なので、他に客はいない。
少し歩いたので、チュウハイのようなものでも呑みたいが、店内に飲み物の表示が無い。
「なんにします」
おかみさんに聞かれ少し躊躇する。
「お食事ですか」
「いえ、酒」
「冷で?それとも燗?」
「えーと、燗で」
食事ではなく酒を飲むのだ、といったつもりが、成り行きで燗酒になってしまった。
言葉というものは難しい。

おかみさんは菊正宗の一升瓶から一合徳利に酒を注ぎ、湯煎にかける。
つまみはうなぎの生肝焼き(600円)。
「燗はどれくらい」
「ぬる燗で」
「はい」
出てきた徳利はかなり熱い。
まあこっちのぬる燗というのは、早く出してくれと言うほどの意味なので、別に文句は無い。
お通しでちびちびやる。
お通しは魚にマヨネーズを添えたもの。
大ざっぱな表現で申し訳ない。
カウンターの奥にはこの店のカウンターを描いた切絵。
いつ見ても不思議な気分になる。
マリリン・モンローの写真が飾ってあるのも不思議だ。

テレビではドラマ。
よく見るとヴィデオのよう。
竹之内豊が出ている。
相手役はチェ・ジウだったっけ。
なかなかに美男美女だ。

今日観た映画のこと等考える。
「風とともに去りぬ」
ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブル。
こちらも古典的な美男美女。
デジタルリマスターしてあることもあって、絵として美しい。
話は今一だったけど。
似たような話なら「或る夜の出来事」の方が好み。
比較の対象がおかしいか。

うなぎの肝焼きが出来てくる。
燗酒お代わり。
おかみさんの手が空いた所で訊ねる。
「去年来た時に、茶色の手袋忘れなかったですか」
「ああ、手袋ね」
テレビの下の引き出しからすぐ出てくる。
これだこれだ。
やっぱりここだったか。
さすが客商売。
「お客さんに、なんか言わなきゃと思ってたのよ、ごめんなさいね」
「いえいえ、こちらこそ預かってもらってすみません」
一月近く前の飛び込みの客のことなど、良く覚えていたものだ。

燗酒お代わり。
ぬか漬け(500円)も頼む。
ついテレビのドラマに見入ってしまう。
杉浦直樹が出ている。
この人も長いなあ。
昔の映画じゃ、殺し屋の役なんかやっていた。
良い人よりは、悪役やる方が魅力的だ。
一度、松本幸四郎との舞台を観に行ったことが有る。
こちらは松本幸四郎の方が悪い役で、似合ってなかったなあ。
確か渋谷のPARCO劇場だった。
最近、渋谷にはトンとご無沙汰だ。

燗酒を、お代わり。
更に、カキバター焼き(600円)も頼む。
映画もいいが、たまには芝居も観たいなあ。
かなり昔、おいらにとって銀座に来ると言えば博品館劇場だった。
オンシアター自由劇場が好きで、良く観に行ったものだ。
「もっと泣いてよ、フラッパー」「上海バンスキング」「ドタ靴はいた青空ブギー」など。
後に自由劇場は渋谷のシアターコクーンに拠点を移し、やがて解散する。
やはり、懐かしいのは博品館劇場だ。
思えばあの頃は若かった。
古い酒場で飲んでいると、人は回顧的になる。
さて、そろそろ現代に戻ろう。

お勘定。
計3900円。

前訪問記録 12月27日


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