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地底のロストワールド 銀座「三原」 [東京]

2005年12月27日(火)

映画を観に行く。
「シネスイッチ銀座」で「ニュー・シネマ・パラダイス」。

まず、映画の前に腹ごしらえ。
「酒のほそ道」にも取り上げられていた「三原橋地下街」に行く。
浅草線東銀座駅の出口からすぐ。
晴海通りをはさんで双子の建物が有り、その裏から入る。
どちらからでも入れるが、今回は居酒屋「傳八」のあるほうからアプローチ。
入ってすぐ左手にあるのが、季節料理「三原」。
その先も串かつの店や、薩摩料理の店、アダルトショップ、食堂、床屋などが並ぶ。
全体的に、銀座とは思えないうらぶれた雰囲気が漂っている。
ちなみに、右手は映画館「シネパトス」。
端まで歩き、結局戻って最初の「三原」に入る。
床屋の横も「三原」だがそちらは食堂風。
季節料理「三原」は、年期の入った場末の居酒屋風だ。
木の引き戸を開け、店に入る。
先客は無し。
カウンターの中には、中年の女性が1人。
カウンターも、年期が入っている。
肉豆腐定食(750円)を頼む。
ぱっぱと食べ終え、店を出てから一思案。
どうも、量的に物足りないような気がする。
まだ、映画の開始には時間がある。
昼飯のはしごになるが、もう一軒行くか。
串カツの店「牛かつ」は前回入っているので「一柳」にする。
「三原」に比べると、少し高級な感じ。
夜は居酒屋だが、昼は温かい蕎麦がメインのようだ。
店内も明るい色調で、小ざっぱりしている。
カウンターの上には、店の名前の入った焼酎のボトル。
かけそば(400円)を頼む。
ずるずるかっ込み店を出ると、おなか一杯。
しまった。
今度は食いすぎだ。
若い頃の自分の胃袋が記憶にあり、つい食べ過ぎてしまう。

まあいいや。
まだ時間が有るし、腹ごなしに銀ブラだ。
ぶらぶらと歩き」、泰明小学校近くの居酒屋「佃喜知」の場所など確認する。
太田和彦氏の本で見当はつけてきたが、こりゃまた路地裏だなあ。
この辺も、いい感じ。
やはり「酒のほそ道」でも取り上げられていた。
今調べたら、15巻に載っている。

さて、そろそろ時間だ、映画館に行こう。
「シネスイッチ銀座」は銀座4丁目交差点、和光の裏通りにある。
懐かしいなあ。
ここは昔「銀座文化」だった所。
その頃は名画座で、ヒッチコックやミュージカルの特集などやっていた。
ヒッチコックなんて、立ち見で観たな。
今は完全入れ替え制の所が多いから、そんな光景も無いだろう。
今日の入りは、7割ぐらいか。
肝心の「ニュー・シネマ・パラダイス」。
映像がとてもきれい。
終戦直後から話は始まるので、街にも戦火の後など残っていたりする。
身なりも粗末だ。
しかし、映画の映像として美しいのだ。
さすがイタリア。
話に関しては、正直ぴんと来ない。
どうもあの、ほろ苦い感じが苦手だ。
昔を扱った映画なら「三丁目の夕日」や「シンデレラマン」の方が好み。
比較の対象が、おかしいかな。
何年かしてまた観たら、印象が変わっているかもしれない。

映画の後は酒。
三原橋地下街に戻る。
午後の3時40分なので、ほとんどの店が準備中。
やっているのは、昼に入った「三原」と食堂の「三原」。
酒を飲むので、昼に入った居酒屋の「三原」へ。
今度は、カウンターの正面へ座る。
やはり客はいない。
先ほどの女性が「また食事?」と聞く。
「いや酒ください、燗酒で」と答える。
カウンターの奥では、テレビが点いている。
お通しはカボチャ。
奥に下がっているボードには、手書きで海鮮系のメニューが。
だいたい500円から600円だ。
いかのポポ焼き(600円)を頼む。
テレビでは、バラエティーをやっている。
突然、女性がチャンネルを変える。
以降この女性をおかみさんと書く。
テレビは、NHKのニュースだ。
「お客さん、映画観てきたの?」と、おかみさん。
「ええ」
「やっぱり、3丁目?」
「いや4丁目、和光の裏」
「え?」
どうも話がちぐはぐだ。
どうやら3丁目とは、映画の「三丁目の夕日」のことらしい。
そういえば、ここの前の「シネパトス」でやっているんだっけ。
大変な人気なのだそうだ。
連休の最中など1時間並んでも、立ち見だったとか。
映画の立ち見、ここには残っていたか。
さすが、昭和の香りを色濃く残す「三原橋地下街」だ。
「三丁目」はリピーターも多く、1人で5回も6回も見る人がいるらしい。
東京の都心が舞台だから、この辺の人にとっては、懐かしさもひとしおだろう。
カウンターの奥には、この店の中の様子を描いた絵がかかっている。
絵の中でも、ちょうど今私が座っているあたりに、男性客が1人いて妙な気分だ。
角度も、私が絵を眺めている角度とほぼ同じ。
少し後ろから見た感じ。
奇妙な味の短編小説にありそうだ。
聞けば、この絵は切り紙で、お客さんの作ったものとのこと。
店内は他にも、色々なものが張ってある。
マリリン・モンローの写真がいくつか有り、気になる。
最初は無愛想だなと思ったおかみさんも、話してみると実に話題が豊富だ。
三原橋地下街の昔の様子なども、教えてもらう。
戦後、初めて出来た地下街だそうだ。
テレビは、いつの間にか「プロジェクトⅩ」になっている。
おかみさんは、この番組が大好きなのだそうだ。
そういえば、この番組あたりが「三丁目の夕日」がヒットする気分の一つになっているかもしれないなあ、などと考えたりする。
時折引き戸が、がたがたゆれる。
地下街を通る風か、はたまた近くを通る地下鉄の振動か。

結局お銚子3本に、ぽぽ焼き。
滞在時間1時間弱でお勘定。
計2,000円。

電車が混む前に引き上げよう。


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